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[67]『かもめ食堂』 <映画館> 2006/4/8 [映画]


('05日)

監督:荻上直子

原作:群ようこ

出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ 他




 まるで「魔女の宅急便」に出てくる海岸の街並みのような、北欧の雰囲気に溢れる映画。こんな生活が送れたら素敵だろうなぁと思わせられます。もちろん、現実的に考えて到底あり得ないだろうことは分かるのですが。




 自分もホームステイをした時、1週間くらいで無性に日本食が食べたくなったものでした。この映画で登場する生姜焼きや、鮭の定食、おにぎりは、本当に美味しそうに映ります。ちょっと前のブログに書きましたが、こういう何気ない食事一つとっても立派な日本文化の一つだし、その価値を改めて再認識して、映画を見終わったあとにスグおにぎりが食べたくなりました。(笑




 まぁ、いつかこういうゆったりとした生活をしてみたいと思うものです。




満足度:★★★(3点/5点満点)






かもめ食堂

かもめ食堂

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2006/09/27
  • メディア: DVD



[66]『笑の大学』 <DVD> 2006/1/28 [映画]


('04日)

監督:星護

原作:三谷幸喜

出演:役所広司、稲垣吾郎 他




 三谷幸喜の、「笑い」に対する哲学が詰まっているのかな?と思わせる作品。堅物の検閲官を通じて、自分の作品を再度認識させられる喜劇作家。そしてその検閲官も、自分の知らなかった世界に、徐々に引き込まれていく。後半はお互いの世界が交差し、まるで漫才のようにテンポの良いやり取りが繰り広げられる。2時間ほとんど場面の移り変わりの無い密室映画なのに、これだけ飽きずに、観させる手法には、ただ感服させられます。元々舞台の為の本であったとはいえ、ね。




 自分の知らない世界を、否定せず、認識すること。それはとても難しいことだし、だいたいの場合において人は変化に拒否反応を示す為、無意識のうちにそれを拒んでいます。場合によって、今まで自分が信じてきたものが、音を立てて崩れてしまう可能性があるから。でもそこにこそ新しい発見があり、更に成長や発展出来るチャンスが隠されているということですね。




満足度:★★★(3点/5点満点)






笑の大学 スペシャル・エディション

笑の大学 スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/05/27
  • メディア: DVD



[65]『マシニスト』 <DVD> 2006/1/22 [映画]


MACHINIST('04米/西)

監督:ブラッド・アンダーソン

出演:クリスチャン・ベイル 、ジェニファー・ジェイソン・リー 、アイタナ・サンチェス=ギヨン 他




 この映画のキーワードとして、"不眠"が広告に掲げられていたが、劇中では思ったよりもそこに焦点は当たっていなかったように思う。むしろ、原題である"MACHINIST"にこそ、この映画が本当に言わんとすることが込められているのではないだろうか。




 ネタバレになるので、あまり細かく言うことはできないが、主人公の男はあることをきっかけとして不眠に陥った。しかしそれでも、一日一日は、彼の職業である"機械運転師"のごとく、過ぎていく。その中でいつしか、その不眠の原因が、まるで夢だったかのように思えてくる。 




 そうして考えると、日常の慌ただしさの中で、大事なコトをついつい忘れがちな、我々現代人への皮肉的な要素も込められてると、思えなくもない。 




満足度:★★★(3点/5点満点)






マシニスト

マシニスト

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: DVD



[64]『ニュースの天才』 <DVD> 2006/1/15 [映画]


SHATTERED GLASS('03米)

監督:ビリー・レイ

出演:ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード 、クロエ・セヴィニー 他




 一つのニュースを、色々な媒体でチャックするとよく分かるが、取り上げる雑誌や新聞によって、その描かれ方は大きく異なる。それがスポーツの評論であるならまだしも、政治や事件に関することでさえ、ニュアンスが微妙に異なることがある。書き手の筆力や表現方法、また取材の深さには差があるわけだから、それは当たり前にことなのだろうけど。時にはそういった"個人差"だけでなく、主観や感情、はたまた企業の政治的な背景が、記事には投影されていたりするものだ。そこには、歪められた事実が存在し、"捏造"と読んでもおかしくないものだって存在する。ただそれは、書いている本人からすれば、れっきとした"歪められていない"事実なのだろう。

 そういう意味において、大枠で捕らえれば、この『ニュースの天才』に出てくるスティーヴン・グラスの書いた記事も、それもまた一つの事実なのだと言えるだろう。




 しかし劇中で紹介される捏造記事はあまりに稚拙で、この解明が映画の大半だが、「そんなに時間を掛けなくても、分かるものでは?」と思う程の稚拙っぷり。ただ、ひとたびこういった記事が大衆の眼前に現れたことを思うと、きっとそれを信じ、踊らされる人もいるのだろうとも思う。 




 何だってそうだが、結局は人の手を介しているということを忘れてはいけない。電車は勝手に動いているわけではないし、郵便物もワープするわけではない。人間の手を介している限り、電車は遅れるものだし、郵便物だって紛失する可能性はある。話は逸れたが、常に"万全な物など無い"と考えながら生きるコトが大事ってコト。新聞記事だって、"絶対"では無いのだ。 




満足度:★★★★(4点/5点満点)






ニュースの天才

ニュースの天才

  • 出版社/メーカー: ハピネット
  • 発売日: 2006/10/27
  • メディア: DVD



[63]『スウィングガールズ』 <DVD> 2005/10/23 [映画]


('04日)

監督:矢口史靖

出演:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、竹中直人 他




 流行ってるようですね、ビッグバンド。やはりこの映画の影響なんでしょうか?自分もあまりその道には明るく無いので、ちょっと調べてみました。




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今日、世界で行われているフル(ビッグ)バンドジャズの演奏は5本のサックス、トランペット4本とトロンボーン4本のブラスセクションに、ピアノ、ベース、ドラムス、ギターのリズムセクションを加えた17人編成が標準になっています。

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 ふむふむ。きっと細かい音楽性まで理解できれば、もう少し違った楽しみ方が出来たのかな?と思います。事実、音楽の部分だけ切り取れば、新鮮な驚きや感動が待っています(多分)。

 

 単に映画のストーリーとしてだけ見ると、何の捻りも無く、基本路線は『ウォーター・ボーイズ』と全く一緒。期待通りの予定調和です。それだけに、安心して気軽に楽しめるということも言えるわけですが。もしあなたが、『ウォーター・ボーイズ』で泣けたのであれば、きっと今作でも泣けるでしょう。




 まぁ、出演者がしっかり練習してちゃんと自分たちで演奏したところは、相変わらず凄いなと思います。




満足度:★★★(3点/5点満点)






スウィングガールズ スタンダード・エディション

スウィングガールズ スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD



[62]『姑獲鳥の夏』 <映画館> 2005/7/17 [映画]


('05日)

監督:実相寺昭雄

原作:京極夏彦

出演:堤真一、永瀬正敏、阿部寛、原田知世 他




 どうしても原作ファンだけに、原作のイメージと比べてしまって申し訳です。




 まず京極妖怪小説シリーズの醍醐味といえば、キャラクターの面白さだと思います。あの分厚い小説の中でも、キャラクター描写には惜しみない分量を裂いています。なので、これを2時間の映画に凝縮しようとするとかなり無理があるのでは。ぱっと見の印象だけで、なかなかあのキャラクターを描ききることは難しいと思われます。




 そして、ストーリー。こちらも同じで、京極のうんちくや、一見ムダと思われるような様々なやり取りをすべて削ってよくぞ2時間に仕立てあげたな、と思います。がしかし、小説を読んでいるから良いものの、あの展開の早さというか飛び飛びな展開は、映画だけ観た人は絶対付いていけないのではないでしょうか・・・。




 かなり低予算で作られたのか、衣装やCGの安っぽさも気になりました。豪華なオープンセットと話題(?)になった、目眩坂も、ロケと比べてしまうとその差がくっきりと分かってしまいます。(俯瞰の映像がちょっときつかったかもしれないですね。かなり模型っぽく見えてしまいました。)




 しかし、鳥口君や里村君のような、別に出さなくても良い人物に、それなりに濃いキャラクターをあてて来たのは、シリーズ化への意気込みでしょうか?そう考えると、出演の役者もそうそうたるメンツとはいえ、連ドラでお馴染みなメンバーなので、次回また集めるのにそう苦労は無いだろうな・・・というメンツではありますね。まぁでもその役者たちの演技は、かなり頑張っていたと思いますよ。ここに救われていた部分は、かなりありますね。




満足度:★★★(3点/5点満点)






姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD



[61]『電車男』 <映画館> 2005/6/5 [映画]


('05日)

監督:村上正典

出演:山田孝之、中谷美紀、国仲涼子、瑛太 他




 思ったよりも、爽やかに見られた。原作を読んでいないんですが、原作版は更に面白く読めるのかなという気がしました。話中の電車男には、苦笑いさせられることしきりでしたが、きっとまぁ誰もが一度は同じような経験をしているのではないかと思います。そういった意味で、どことなく懐かしい気持ちにさせられるというか・・・。また、山田孝之が非常に上手く主人公の誠実さと、怪しさ(笑)を出していたと思います。




 それにしても、公開前のプロモーション中に中谷美紀も言ってましたが、秋葉原を舞台としたラブ・ストーリーって珍しいですよね。でも、例えば変に六本木ヒルズとかお台場とか使うよりも、なんだか気張らないリアルな日本を表現しているようで、すっと感情移入できた気がします。




満足度:★★★(3点/5点満点)






電車男 スペシャル・エディション

電車男 スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/12/09
  • メディア: DVD



[60]『ハウルの動く城』 <映画館> 2004/12/18 [映画]


スタジオジブリ作品('04日)

監督:宮崎 駿

声の出演:倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏 他




 『千と千尋の神隠し』でも感じた事なんですが、どうもここ最近の2作の宮崎作品は、テーマがはっきりとしすぎてませんか?「愛している」とか、「好き」とか。なんだか、ここまではっきりしていると、どうも素直に受け入れがたいものがあったりして・・・。やっぱり歳を取ったんですかねぇ・・・。




 自分が宮崎作品で好きなのは、『もののけ姫』だったり、『天空の城ラピュタ』だったり、『紅の豚』だったりと、ハッピーエンドなんだか微妙に分からないものに惹かれる傾向にあります。どこか物悲しさを含んでいて、終わった後に考えさせられるようなね。でもこの作品は、とにかくハッピーエンドに向かって突き進むとともに、どんどん物語に置いてきぼりにされてしまった感覚だけが残りました。




 音楽は、とても美しいです。久石譲さんが、宮崎監督に「1曲だけ名曲を作ってくれ」と言われて書き下ろした曲は、物語の世界観ととてもマッチしていて、引き込まれます。そして、全作『千と千尋の神隠し』に引き続き、個性的なキャラクターが続々と出てくるのは、ジブリ作品の真骨頂とも言えます。どこかこの雰囲気だけで満足してしまうところがあるのが不思議なもので、ちょっとディスニーランドっぽくなってきたな、とふと思ったりもしました。




満足度:★★★(3点/5点満点)






ハウルの動く城

ハウルの動く城

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2005/11/16
  • メディア: DVD



[59]『バグダッド・カフェ』 <ビデオ> 2004/12/5 [映画]


Bagdad Cafe('87米)

監督:パーシー・アドロン

出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス 他




 実在するんですね、このバグダッド・カフェって。アメリカ西海岸、モハーヴェ砂漠のハイウェイ沿いに実際にあるそうです。バグダッドと聴くと、やはり想像してしまうのはイラクの首都バグダッド。当然ながら、この映画はイラクのバグダッドとは何ら関連性はありません。前述の通りアメリカ内における、アメリカ人とドイツ人の話です。




 しかし、無国籍な雰囲気の設定から、何となく色々なモノを想像させます。お互いの文化に違和感を示す、黒人女性と白人女性が、次第に心うち解けていく展開。また寂れてコーヒーも出せなかったようなバグダッドカフェが、大人気店へと変貌を遂げていく様は、今のアメリカとイラク関係に一石を投じるようで、皮肉に暗示的です。




 今のアメリカ対イラク関係があってこそそのような感想になるのであって、作られた当時はきっとそんなことは誰も思いもしなかったでしょうね。そんなところに、映画の芸術性を感じたりもします。




満足度:★★★(3点/5点満点)






バグダッド・カフェ 完全版

バグダッド・カフェ 完全版

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2003/04/25
  • メディア: DVD



[58]『十二人の怒れる男』 <ビデオ>  2004/11/23 [映画]


12 ANGRY MEN('57米)

監督:シドニー・ルメット

出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー 他




 近頃日本でも、導入されるだのどうのと話題になり、よく耳にします『陪審員』という言葉。アメリカでは憲法で保障されている制度で、一般国民の中から抽選で選ばれるそうです。陪審員が下す判断は、評決と呼ばれ、刑事事件においては「有罪」か「無罪」かを決定する重大な役割を担います。(裁判官は、その評決に基づいて判決[刑の具体的内容]を下します。)




 さてこの映画は、そんな「評決」のシーンをテーマとした密室ドラマ。話の主題となる事件については、一切登場人物や場面は触れられないが、まるで手にとって分かるような、セリフの応酬が繰り広げられる。数々の発言や仕草に複線が張られていて、どんどん展開が流れていく様が非常に小気味良い。まるで京極作品の、謎解きシーンを見ているような軽快さがあった。




 この映画がどれだけリアリティのあるものなのか分からないが、陪審員の制度の怖さというものも表現されている気がする。感情に流されて評決が下されてしまう危険性や、個人的な職業や生活環境によって左右されてしまう主観など、公平な判断を下すのに障害となるものが沢山ある。




 人間というのは、白黒はっきりつけないと座り心地が悪いものなんですよね。「喧嘩両成敗」という言葉は存在しますが、あまりこれが適用される場面というのは少ないです。すべての事象には因果関係があり、その事が起こるには様々な要因が積み重なって起こるものだと考えると、世の中の争い事はすべて、「喧嘩両成敗」だと思う気もするのですが・・・。




満足度:★★★★(4点/5点満点)






十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/24
  • メディア: DVD



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